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適応障害について

どんな病気でしょうか?

 適応障害とは、ストレスにより心身の不調や望ましくない行動面の変化をきたす状態のことです。

適応障害のきっかけ

 仕事や日常生活におけるさまざまなことがきっかけになります。悪いことやつらいことがきっかけになることが多いのですが、本来は喜ばしいはずのこともきっかけになりえることは注意が必要です。

 仕事においては、業務の負荷が大きいこと、部署異動や転勤、上司や部下が変わったこと、昇進や昇格などがきっかけになります。

 日常生活では、家族関係、こどもの進学、転居、家のリフォーム、結婚、隣人との関係、きょうだいの結婚や出産、友人関係、家族の加齢、家族や自身の健康問題、PTAや自治会活動などさまざまなことがきっかけになります。

 ストレスが一つだけでももちろんきっかけになるのですが、複数のストレスが同時期に重なっているとより症状がでやすく、苦しいものになりやすい傾向はあります。

 生活や仕事に変化があって調子が悪い場合には、何か原因がないか考えてみるのもいいと思われます。

適応障害の頻度について

 報告によって差はありますが、適応障害は一般人口のなかの2~8%程度に生じているといわれています。たくさんのかたが、苦しまれている障害といえます。

適応障害の症状

心の不調

 心の不調としては、落ち込み、不安、心配、緊張、怒り、焦り、やる気がでないなどがあります。

身体の不調

 身体の不調としては眠れない、食欲がでない、動悸がする、肩こりが続く、過呼吸がある、倦怠感、腹痛、頭痛などがあります。

行動面の変化

 行動面の変化としては、遅刻、無断欠勤、無謀な運転、暴飲暴食、器物破損、引きこもりなどがあります。

適応障害の診断

 適応障害の診断は簡単ではありません。なぜならば、「適応障害の症状」で記載したことは他の精神疾患でもおこりうることだからです。また、適応障害以外の疾患も、ストレスをひきがねとして不調になったり、ストレスが経過に影響を与えることがしばしばあります。

 実際の臨床場面では、症状の出現の仕方などに注目してどの診断がより適切か検討したうえで診断をつけています。適応障害の診断をつけたあとの経過をみて、他の診断がより適切と判断された場合には診断変更となることもあります。

適応障害の治療について

 教科書的には「ストレスの原因をみつけて、取りのぞく」のが根本的な治療になります。しかしながら現実的には、取り除けないストレスは多くあります。環境面の調節をして延期や保留ができることや距離をとれる事柄については、可能な対応をすることは当然すすめられます。

 「ストレスからはのがれられないし、環境も受け入れざるをえない」場合も現実には多く、その場合は自身が適応する力をつけるのを目指すことがすすめられます。具体的には薬物療法や、ストレスへの考え方、ストレスとなる事項への向き合い方について診察で話していくことなどがおこなわれています。

 ストレスによって不安や不眠がでている場合に、抗不安薬や睡眠導入剤、漢方薬などを使用し、心身の不調の軽減を目指すこともおこなわれます。落ち込みがつづく場合は、抗うつ薬の使用により改善を目指すこともおこなわれます。薬物療法は必須ではありませんが、なかなか症状が軽減しないときには使用を検討していくこともすすめさせていただきます。

ストレスがどうにもならないと思ったら

 診察でお話しをすることで、「誰に言っても仕方がないと思っていたけど、話してみたら楽になった」というかたも多くいらっしゃいます。特に、生活のなかでストレスとなる事項について話をする相手がいなかったり、身内のことで話しにくかったりするかたでは、診察にくること自体が不調の軽減に役立つこともよくあります。

 このページをご覧になって、「自分も確かに不調になっているな」とお感じになったら、一度心療内科や精神科の受診について検討していくことをおすすめします。

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